移転が完了しないまま、個人の旧ホームページを閉鎖しました。いずれ内容を精選して作り直します。
バルトークの三大舞台音楽の1つである《中国の不思議な役人》A Csodálatos Mandarín* は、メニュヘールト・レンジェル Menyhért Lengyel** (1880-1974) の台本にもとづく1幕のパントマイムのために1918年以降に書かれました。
私がこれまで書いたなかで最高の管弦楽曲です。
― ベーラ・バルトーク (1927) ―***
バルトークのなかでも異色の作品であり、そして恐ろしく凝縮され完成された宇宙。彼の傑作であるにもかかわらず、道徳的・政治的な理由により舞台上演が官憲らによって妨害されバルトークを失意の底に追い込み、その後も一部の伝記作家や音楽家、音楽ファンらから無視され、誤解を受けてきました。また、半世紀間普及してきた旧譜は大小さまざまな誤りを含み、作品の真の姿はペーテルらによって2000年までに明らかにされたばかりです。
* ハンガリー語。おおよその発音は、ア・チョダーラトシュ・マンダリーン。
** 旧譜に記載のメルヒオル・レンジェル(Melchior Lengyel) は、ハンガリー以外向けの筆名。
*** バルトークからウニフェルザール(ユニヴァーサル)出版社への手紙。1927年2月3日。